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【知恵の森】『これからの「正義」の話をしよう――いまを生き延びるための哲学』マイケル・サンデル (著)

2010-09-05 09:27


昨日、ジュンク堂(堂島店)で見かけたら今月のランキングベスト5に堂々のランクイン。
発行は今年の5月で、タイトルにあるとおり「哲学」というちょっと堅いテーマの内容にもかかわらず、NHKでオンエアされた「ハーバード白熱教室」の影響もあってか発売以来、売れ続けるベストセラーです。

内容は、ハーバード大学で政治哲学の教授であるアイケル・サンデル氏がJustice(正義)をテーマに行った授業を書籍化。ハーバード大学史上最大の履修者数を誇り名講義といわれるだけあり読み応え十分です。

常に、正しい行いとは何か?を問い哲学、倫理の問題に向き合い良い社会の構築を図ります。
例えば、
「自由競争を優先するのか、平等を優先するか?」
「金持に高い課税を課し、貧しい人々に再配分をすることは公平なことか?」
「お金をもらっての妊娠は正しいことか?」
「前の世代が犯した過ちは、現代世代に償いの義務はあるのか?」
などなど。
特に「一人を殺せば五人が助かる状況があったとしたらあなたはどうする?」など非常に興味深い内容が満載です。

今、政治、哲学、倫理が何を問題にしているのかがわかり、正義を問うことで共通の認識を造りあげ、共同体の構築を図る。西洋的正義ですべてが受け入れられる内容というわけではありませんが、共通のモラルを共有し、コミュニティーを構成していた日本人には正義を問い直す機会が訪れているのではないでしょうか?

決して堅苦しくなく、飽きることのない一冊です。ぜひこの機会にお読みください。