今日の一冊は、発行は結構、古いのですが、ロングセラーを続ける一冊。

園芸文化の発展、花や木への美意識の高さは国の大きさ、経済力とは比例しません。古代ギリシャやインドでは文明は発達したにもかかわらず、園芸や花は極めて貧弱な段階でとどまりました。逆に、インカ、アステカ文明では豊かな園芸文化を形成すると書かれています。

本書は、大阪府立大学名誉教授で植物学者の著者が古今東西の民族の住居と庭園様式などを検討して園芸、花と木の文化についての歴史、改良の歴史を語ります。

その他にも、ボタンや桜についての歴史。地味な植物に喜びを見つける日本の古典園芸の不思議。著者が選ぶ、世界十景のガイドなど読み応え十分です。

海外へ旅行に行く際や、ちょっとした旅先でも、出会った花や木の見方が変わる本です。読んでおいて損はありません。