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【知恵の森】タネのタネあかし『種子(タネ)たちの知恵―身近な植物に発見!』多田 多恵子 (著)

2010-12-25 07:54


今日の一冊はマニアックです。
種についてなぜこういう作りになったのか?植物たちの知恵を解説した一冊です。


内容は、第一章が「自然を利用するタネたち」
ユリノキ、ボダイジュ、アオギリ、シラン、ガガイモ、ムクゲ、ガマの仲間、メマツヨイグサ、ブラシノキ、ジュズダマ、メヒルギ、クサネム。
●コラム:風で飛ぶタネたち、実物大タネ図鑑、雨粒にはじけるコチャルメルソウ

第二章は「動物を利用するタネたち」
ナンテン、カラスウリ、ジャノヒゲ、ヤドリギ、クサギ、ハゼノキ、エゴノキ、サルナシ、ケンポナシ、オニグルミ、ムクロジ、ドングリの仲間、オオバコ、オオイヌノフグリ、オナモミの仲間
●コラム:色仕掛けで鳥を誘うタネ図鑑、時代に忘れられた巨大なさや、ひっつきむし図鑑、世界のタネ

第三章は「みずからタネを飛ばす植物たち」
タカバミ、ゲンノショウコ、フジ、カラスムギ、タチツボスミレ
●コラム:さらに遠くへ!、アリの宅配便

掲載されている植物種は大きく32種ですが、「コラム」が全部で9つあり、その中で多くの植物のタネたちに触れられています。特に、コラムの「実物大タネ図鑑」「世界のタネ」は秀逸です。


著者は、東京大学大学院卒。理学博士。植物の生き残り戦略、虫や動物との関係を、いつもワクワク追いかけている多田多恵子氏。
女性らしい柔らかな解説とは裏腹にタネに関してはマニアックさ全開です。
普段は、植物の花には目を奪われて、種子までにはなかなか目が行きませんが、種子の状態や子孫を残す戦略を知ることで、一気にその知識や興味が広がります。

本当に著者がタネの身になって考えたのかと思わされるほど、普通の植物図鑑にはないことが満載の良書です。

ぜひ一度、ご一読を。