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今日の一冊は、イサム・ノグチが日本に遺した主な作品と世界に点在する野外の主要な諸作品を一冊にまとめた写真集です。

特に1998年初夏、札幌市郊外に誕生したモエレ沼公園を取り上げ、「地球を彫刻する」という構想を実現させたイサム・ノグチの思いを紹介します。

イサム・ノグチとは、「あかり」のデザインなどが有名かもしれないが、日米両国で世界的な彫刻家として知られ、最晩年までモニュメントの制作、ランドスケープデザインを精力的に行った。主な作品としては、パリのユネスコ本部庭園が有名です。

常識をくつがえすために空間で、遊び新しい世界観を提案し続けたイサム・ノグチに対し、建築家の丹下健三は「イサムさんは、古代の弥生的な世界から禅や侘びの境地までを自分のものにしていました」と書いています。決して荒唐無稽ではなく繊細さと大胆さを兼ね備えていたことをうかがわせます。
また、イサム・ノグチの発想の原点でもあるプレイマウンテン（遊び山）の姿をあますことなく写真で見せてくれます。

巨大なごみ処分場をモエレ沼公園としてよみがえらせた美しい仕事の数々をぜひご覧ください。
心に残る一冊です。