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【知恵の森】消費税の行方『“35歳”を救え なぜ10年前の35歳より年収が200万円も低いのか』NHK「あすの日本」プロジェクト (著), 三菱総合研究所 (著)

2012-06-17 15:23


この週末は大変です。
17日にギリシャの再選挙を控え、結果次第では金融市場が混乱する。
日本でも三党合意によって消費税増税の道筋が見えてきた。
多数の反対の意見もあるが、なぜ不景気のこの時期に消費税増税をしなくてはいけないのか?!

ここに3年前に発行された一冊の本がある。
その名は『“35歳”を救え』ぜひ、この本を踏まえ解説させてほしい。

本書は、団塊ジュニア世代でもある当時の35歳にスポットを当てた一冊。
この世代は、大学卒業時にバブル崩壊後の就職氷河期の影響をもろに受け、10年前の35歳よりも年収が200万円も下がってしまった。また、フリーターもこの当時からあたりまえのように容認された世代で、現在の不景気をもろに受け、急激な社会変化にまきこまれた世代になる。

ちなみに私はこの世代よりも少し下です。

ではなぜ、この世代が重要なのだろうか?
当然、団塊ジュニア世代とのことで日本の人口に占める割合は団塊世代に次ぐ。
そして、出版当時は35歳だか5年後には40歳を迎え社会の根底を支える世代になる。
だが、根柢の支える世代になるには社会状況が悪すぎる。

本書によれば、この世代は不況にあえいでいる。
自由を求め『フリーター』になったといえば聞こえはいいが、実際は仕事がないからフリーターにならざるを得ない。
就職活動も終わりの始まりと言われた就職氷河期。3人に1が就職できない状況だった。この後も就職難の時代が続く。
仮に、就職できても倒産、リストラの影響をもろに受けた。
結果的に10年前の35歳より200万円も年収が下がってしまい、未婚や少子化にも悩まされている。
本書では、イギリスの就職支援を例に習い解決策を説くが、あまりにも実態が見えてこない。

本書を読む限り、この世代が40歳になるまでに雇用が安定し、社会の根幹を担うとは想像できない。また、本書では触れられないが、それと同時期に団塊の世代が65歳を超えリタイヤ、ないしは年金生活に入る。そうなると社会の人口構成に大きな影響を与える。
今までの租税形態では十分な税収を見込まないことは明らかだ。
その為には、万民から徴集できる消費税が有益なのかもしれない。

しかしあまりにも拙速で、国民への説明もない。
本書を読めば読むほど、未来に希望を見出すのが難しくなってしまう。
ただ、投げ出すことはできない。社会が大きく変わる転換期に乗り遅れることなく変化に対応できるよう、考えたい問題である。